福岡市博多区の対馬小路に本店を構える海産物卸問屋の三徳さん。先代が昭和34年に創業して、平成21年でちょうど50周年を迎え、それを機にお店のリニューアルをすることに。私共も企業イメージの見直しのお仕事をいただき、そこで初めて“知る人ぞ知る”三徳さんを知りました。そして、知れば知るほど一般消費者にとっては魅力的なお店であることを実感しました。
三徳さんの魅力はなんと言っても、海産物卸問屋であるということ。地元をはじめ全国各地から直接仕入れた一級の海産物を、本店の店頭販売および通販事業において一般消費者にもリーズナブルな価格で提供しているところです。本店はもともと、西新のリヤカー部隊や志賀島などから仕入れに来た人たちでにぎわっており、それに三徳さんを知るごく一部の一般の顧客が利用する、そんなお店でした。が、その顧客というのがかなり目利きの人が多く、「だからこそ、うちはへたな商品は置けない」と本店店長。立地に少々難ありですが、今回のリニューアルでは一見のお客様でもずいぶん気軽に入りやすくなりました。
せっかくお客様に来ていただくのなら、っぱり品揃えも充実させなければ。三徳さんの主力商品は、「羅臼完熟卵の特製辛子めんたいこ」に「南千島産の本紅鮭」「一番採れの羅臼昆布」でしたが、今回「博多ひとしお」という商品も加わりました。これは、博多の魚市場で水揚げされた魚を三徳さんの加工場で薄塩をして、そのまま一晩じっくりと旨みを凝縮させてから急速冷凍、真空パックしたもの。もともとあった商品ですが、とても魅力的なオリジナル商品だったので、ぜひ定番に!とプッシュ。そこで魚種も増やしててこ入れいただいたところ大変好評で、リピーター率の高い商品に育ちつつあるようです。どの商品も本当に一級品です。
それにしてもいろいろと魅力的な商品を持っていながら、“知る人ぞ知るの三徳”なのはなぜか。つまり失礼ながら広報下手ということ。そこで、50周年を機に話題になりそうな新商品開発が必要だと思い、「博多海鮮めんたいこ丼」を提案させていただきました。これは、三徳さんの辛子めんたいこのあえもの「烏賊めんたい」「数の子めんたい」に、同じく博多名物辛子高菜や昆布などを組み合わせてひとつのパックにしたもので、そのままあったかご飯にのせるだけでめんたいこ丼の出来上がり!という商品です。実際にお米を仕込んだ炊飯ジャーを三徳さんの事務所に持ち込んで炊き、その場で試食していただきましたが、それが今新商品として販売されています。博多土産としておすすめです。
今回は商品パッケージの見直しと商品カタログ、企業ロゴマークも手がけさせていただきました。三徳さんの辛子めんたいこは羅臼完熟卵というぜいたくな素材を使ったもので、プチプチとはじけるような食感が特長です。この辛子めんたいこは1本のサイズが非常に大きくて立派で食べごたえがあります。それを品質にこだわって冷凍のまま発送されているので、木箱は残しましたが、そのほかは便利な1本ずつの小分けパックにしました。これに関しては従来のお客様からエコに反しているとご批判もあったようですが、実はトータルすると以前の包装資材以下に抑えているのです。羅臼昆布もギフト箱をロゴマーク入りの紙袋に変更しました。
通販カタログも、従来のものは看板商品である辛子めんたいこがあまりにも前面に出すぎて、ともすると“辛子めんたいの三徳”との印象を受けがちでしたので、商品構成も含めて海産物卸問屋らしいものに再編集しました。とにかく、一級の海産物をリーズナブルな価格で提供しているということが三徳さんの最大の魅力。一般消費者がまだまだ知らないおいしい季節商品もいろいろあります。50年はひとつのくぎりですが、これからも一ファンとして「博多三徳って、知ってる?」と人に教えたくなるような、そんなお店であり続けてほしいと願っております。
※詳しくは、博多三徳さんホームページへ
www.santoku-net.co.jp
上/リニューアルした博多三徳さんのロゴタイプの法被。左・下/リニューアルした本店。土日も午後6時半まで営業です。
あつあつご飯に
博多海鮮めんたいこ丼
羅臼完熟卵辛子めんたいこは、
Lサイズ
本紅鮭パッケージは巻き帯対応
羅臼昆布の贈り物もお客様の好みに応じてかさばらない、袋で対応。